多汗症とは？わきがと多汗症の違いとは？

人間は誰でも汗をかきます。暑い時や運動をした後はもちろん、寝ている時も汗をかいています。ただ、汗の量や質は人それぞれですので、汗をかきやすい人もいれば、あまり汗をかかない人もいます。

運動をしても汗をかかないのは、代謝が悪い証拠ですので、決して良いことではありません。しかし、汗をかきすぎてしまうと、人の目や臭いも気になってしまいますよね。

あまりにも異常に汗が出るという方は多汗症の疑いがあります。また、汗の臭いが強い方は、わきがではないかと心配になっている方も多いでしょう。

そこで、多汗症とは何なのか、また多汗症とわきがの違いについてまとめました。

多汗症とは、読んで字のごとく汗が多量に出る症状です。多汗症を単なる汗っかきだと思っている方もいるかもしれませんが、多汗症と汗っかきは全く違います。

例えば、暑いときに汗をかくのは普通のことですし、汗っかきの方は人よりも多く汗をかきますよね。ただ、多汗症の方は暑い、寒いに関わらず日常生活に支障をきたすほど大量に汗が出てしまうのです。

多汗症には大きく分けて下記の2つの症状があります。

全身性多汗症は、全身のあらゆる場所から汗が出ます。汗をかきやすい顔や脇はもちろん、普通はあまり汗が出ないお尻やお腹などからも汗が出ます。全身性多汗症の原因ははっきりとは解明されていませんが、更年期障害など別の病気が原因で発症している可能性が高いとされています。

局所性多汗症は、全身性多汗症とは違い、手のひらや足の裏、脇の下など局所的に汗をかきます。局所性多汗症は、自律神経の乱れが大きな原因とされています。緊張した時やストレスを感じた時に、手のひらや脇に異常に汗をかいてしまうという方は局所性多汗症の可能性があります。

わきがと多汗症はよく混同されがちですが、全く違います。わきがはアポクリン腺から出た汗が原因で臭いが発生します。アポクリン腺から出た汗は強いニオイ成分を伴いますので、わきが特有の臭いが発生するのです。

多汗症はアポクリン腺ではなく、エクリン腺から大量の汗が出る症状ですので、多汗症で出る汗自体はわきがのような臭いはしません。もちろん、多汗症の方も汗を放置しておくことで、いわゆる汗臭さは生じますが、わきがは単に汗臭いというわけではなく、わきが独特の臭いが生じます。

また、わきがの臭いは汗をかいている、いないに関わらず発生します。多汗症は汗が大量に出ますので、汗が臭ってわきがと勘違いする方もいますが、多汗症とわきがは全く異なる症状なのです。

ただ、わきがの方が多汗症を併発しているケースはあります。本来多汗症で出る汗には臭いはありませんが、わきがの方の場合は、多汗症による大量の汗が蒸発する際に、わきがの臭いも一緒に周囲に分散されますので、わきがの方が多汗症を併発していると、臭いが強くなってしまうのです。

しかし、上記で記載した通り、多汗症とわきがの症状や原因は全く異なるものです。そもそも、わきがは遺伝によって思春期に発症する場合がほとんどです。逆に言えば、思春期にわきがでなければ、大人になってから突然わきがを発症することはほぼありません。

そのため、多汗症の方で脇の臭いに悩んでいる方は、わきがではなく、単に汗による雑菌の臭いである場合が多いと言えます。