口臭の元となる膿を治療するには？膿が原因の口臭を治すには？
口臭とは、様々な原因が重なり合って発生してしまう症状です。口臭の発生源は、口内に発生する歯垢や舌苔が大きな割合を占めています。しかし、歯垢を放置しておくと、菌が繁殖し虫歯や歯周病になってしまうこともあるのです。
もしも歯が病気になってしまうと、歯茎などを炎症させて化膿してしまうこともあります。膿が発生すると、さらに口臭はきつくなっていくのです。口内で膿が発生していると、酸っぱい臭いがして、周囲の方だけではなく、自分自身も不快な思いをしなければいけません。
膿が原因で口臭が発生してしまっている場合は、歯の健康のためにも効果的な治療を行う必要があるのです。
そもそも膿とは何なのか
膿とは、歯茎だけにとどまらず、身体の様々な箇所に発生します。もし、身体の皮膚が傷ついてしまった場合、傷が癒えていく過程で、かさぶたとなり白く膿が発生する場合があります。これも口内に発生する膿と同じで、身体の細胞が雑菌と戦っている状態なのです。
膿とは、私達の血液中に含まれる、白血球と呼ばれる細胞の死骸です。白血球は外部の細菌を防ぐ働きをしており、外部から菌が入り込むと雑菌と戦い、役目を終えるとその機能を失って死骸となります。これが堆積した物が膿の正体です。
傷口に膿が発生しているということは、白血球が働き、細菌から身体を守っているという証拠でもあります。口内で膿が発生しているのは、何か悪い菌を防ごうとしている状態なのです。
口内に膿が発生する原因
口内に膿が発生してしまう場合、それは大きく2つの種類に分けることができます。一つは、膿栓と呼ばれる物質です。厳密にいえば、膿栓は口内で生成されるものではなく、鼻炎による痰や鼻水、扁桃腺など喉に関連することが多いのです。
もう一つは、直接口内に膿が発生してしまう場合です。膿が発生してしまうのは、多くが歯茎であり、歯の病気が関係しています。
歯周病による膿
歯周病とは、歯茎が炎症を起こし、出血や膿が発生してしまう症状です。歯周病の特徴は、歯の周りの歯茎が赤く腫れあがり、化膿を起こしてしまいます。歯茎と歯の間に雑菌が入り込むことで発生し、歯に重大なダメージを与えます。炎症した歯茎は非常にもろくなっているため、歯磨きなどをすると、逆に歯茎を傷つけて化膿・炎症を加速させてしまう恐れもあります。
根尖病巣（こんせんびょうそう）による膿
根尖病巣とは歯茎の深部、つまり歯の根っことも呼べる奥部に膿がたまってしまう症状です。歯の奥底まで虫歯菌などが侵入し、神経や歯を侵して空洞部分を作り上げてしまいます。そこに膿が発生してしまう症状です。歯と歯茎の隙間から膿が漏れ出し、口臭となってしまいます。
口内炎や歯茎の傷
口内炎や歯茎を何らかの原因で傷つけてしまった場合も膿が発生します。しかし、歯周病などと異なり、ほとんど臭いを発生させません。傷が一時的なもので、すぐに治るという点もありますが、これらの傷は歯周病菌や虫歯菌などの臭いを増大させる病原菌に侵されていない膿だからです。
膿が原因の口臭を改善させるためには
膿が原因の口臭を改善するためには、膿の発生原因を改善する必要があります。膿を取り除くだけではなく、膿を発生させている傷口や病気を治療しなくてはいけません。
まず、歯周病が原因で膿が発生してしまっている場合、歯周病菌を除去しなくてはいけません。市販の消毒液や、歯磨きをするという方法も考えられますが、下手に自力で改善させようとすると、かえって症状が酷くなってしまうことがあるので、まずは歯科などで診察をしてもらいましょう。
また、根尖病巣の場合、歯茎を指などで押して膿を出すということも考えられますが、深部の膿がたまったポイントをしっかりと消毒する必要があります。これは再発を防ぐために有効で、歯の健康を維持することにも繋がります。
口内に膿が発生して口臭がきつくなる場合、それは歯周病菌などの細菌がより臭いを増大させる相乗効果を発揮しているためなのです。そのため、膿による口臭を治療するためには、まずは根本的な原因である、歯の病気を治さなくてはいけないのです。
歯茎に激しい痛みや、目に見える形で歯茎が化膿している場合、無理をせず専門の機関でまずは診察を受けるようにしましょう。歯周病などが進行している場合、最悪歯を抜かなくてはいけい自体にもなりかねません。違和感を感じたら、くれぐれも早急に対処する必要があります。
